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AKB48 57thシングル「失恋、ありがとう」について

AKB48さんの57枚目のシングルが今年の3月に発売されていますが、この表題曲を知っている方はどのくらいいるでしょうか?

 

正直に言いますと春~夏ごろにAKB48に数年ぶりに着目しだすまで私も知りませんでした。すっかり出戻りファンになってしまいましたが。

個人的な事情で言えば大学院の修了、就職、引っ越しで忙しかったので歌番組を見れていなかったというのがあるのですが…言い訳でしかない。

今日はこの曲について私見を述べたいと思います。

 

表題曲は 失恋、ありがとう

(作詞:秋元康、作曲:村上遼、編曲:若田部誠

曲調としては80年代90年代のアイドルソングどころか1960、1970年代のような出来上がり、最近の曲っぽくすることもなくオールディーズを思わせるように感じます。AKB48は時々ちょっとどころではないレトロ調の曲をシングルで出してきますね。

youtu.be

 

AKB48の曲ですので添えておきますとセンターは山内瑞葵(やまうち みずき)ちゃん、2016年に16期生オーディションで加入したメンバー、AKB48ではチーム4の所属、シングル表題曲では初センターでした。リリース当時は18歳、高校卒業の時期ですね。

www.akb48.co.jp

山内瑞葵ちゃんのSNS(それぞれ彼女のアカウントに飛びます)

山内瑞葵🎀(ずっきー) (@MizukiYamauchi) | Twitter

https://www.instagram.com/zukky_48/

 

本題に戻りましょう

歌いだしは前サビで

"失恋 ありがとう 思い出がいっぱい

涙を拭いたら サヨナラ悲しみよ"

力強い主人公だなあと、この時点では思いますね。

ところがですね、曲調にただただマッチした明るい曲なのかと思いきや、歌詞が進むにつれて吹っ切れそうで吹っ切れない傷心の恋心の模様が表現されていく曲です。

1番以降に触れていきます。

1番ではこの世界の恋のほとんどが上手くいかない、両想いになるのは難しい、運命と思い込んだ、勝手に夢を見て夢から覚めただけ

などと過去の自分を戒めるようなAメロに眠れぬ夜を乗り越えられたというBメロが続きサビでは今日から強くなれると歌っています。

2番Aメロでは親友に相談したってどうにかなることじゃない、悩んでる自分に酔っていたかもしれないと悩むのすらやめたような歌詞がきます。これにBメロで未来の長さだけ出会いは待ってるとやたらポジティブな考えが続くのですが、2サビは

"失恋 ありがとう 強がって言わせて

さあ前を向いたら ゆっくり忘れよう"

まだ過去から離れられていない様子が描かれます。

 

そして2サビ後、間奏明け落ちサビの歌詞は

"失恋 ありがとう 思い出がいっぱい

涙を拭いたら サヨナラ悲しみよ"

(ここまで前サビと同じ)

"失恋 バカヤロー 忘れられるわけない

ホントは ホントは 今でも大好きだ"

 

この曲の主人公の心情が結局のところまだ落ち着いておらず、一度落ち着いたと思っていた感情も寄せては返す波が大きくなるように大きく揺れ続けていることが読み取れます。サビで延々歌われているラララ…も前を向こうという意思はあるんだというそんな意図かなと考えてます。

 

この曲の中で出てくるたくさんの感情たちのどれもが主人公の本当の気持ちで、揺れ続ける日々の感情を明るくポップなサウンドに乗せた一曲。

落ち込んだ心に寄り添った歌詞を肩ひじ張らずに注ぎ込む編曲1サビ後半でもうサビを口ずさめそうなメロディが素晴らしい曲で、何かしらのCMタイアップでもつけられるタイミングでリリースできていればもう少し流行ったかもなあと、個人的には感じます。甘いお菓子のCMにでも…ね…

ダンスで言えば、上のMVリンクに行ってくだされば分かりますが曲調のわりにダンスはキレがいいことで映えるタイプ。振り付けの方向性もしっかり振りをつけている印象を受けるタイプのもので、センター山内瑞葵ちゃんのダンスのきれいさ、手足の長さが映えますね。AKBはかわいらしい振り付けでもキビキビ踊るとかっこよく見える曲が多いですね。あと、失恋、ありがとうの手のポーズが好きです。

 

色々書いてきましたが、曲のことやセンターの人選について知っていくと、なるほど山内瑞葵ちゃんをセンターにしたくなる曲だなあとは思います。何か思うところがあるような表情ではかなげにしかし力強く前を向く劇場版のジャケットも、華やかにそして楽しげに笑うMVもどちらもすごくしっくり来ているのがとても好印象。存在でこの曲を表現してくれているようにさえ思います。

 

年末の特番でこの曲が披露される機会は、残念ながらなさそうですが、

いつかどこかで日の目を見てほしい曲です。